手放したくなくなる!「とりあえず体験」で愛着を生むデザイン

ユーザーに「これは自分のものだ」と感じてもらうと、その商品を手放すことに強い抵抗を感じるようになります。この心理を活かして、トライアルから本契約へスムーズに誘導するデザインのヒントをお伝えします。

無料トライアルからの本契約率が低いのはなぜ?

「無料トライアル」を提供しても期間が終わるとユーザーが離脱してしまうのは、充実度とは別にユーザーがサービスに対して「自分のもの」という愛着や価値を感じられていないからです。

「自分のもの」感を作るデザイン

行動経済学での『保有効果』を使います。人は、一度自分のものになったものに対して、それが同じ価値のものであっても、持っていないときよりも高い価値を感じるようになります。
無料トライアル期間中、ユーザーがカスタマイズした設定や作成したデータ、アップロードした画像などを「パーソナライズされたマイページ」として提供し、画面の目立つ場所に表示します。無料トライアル終了時に「この設定やデータは保存されます(が、本契約しないとアクセスできなくなります)」と優しく伝えることで、「せっかく作ったものを失いたくない」という心理が働き、契約へとつながりやすくなります。

まとめ

ユーザーが「自分の居場所だ、物だ」と感じるデザインを提供し、愛着と手放しがたい価値を生み出しましょう。

さて、ここで次の学びに繋がる問題です!
あるサブスクリプションサービスが、「月額料金」を強調した告知をしても「割高感」を払拭できませんでした。

割高感をなくし、お得に感じてもらうための方法はどれでしょうか?

1:月額料金を強調せず、全機能の詳細なリストを提示する
2:年間契約の割引率を強調し、その後に月額料金を小さく表示する
3:月額料金を30日で割った「1日あたり〇〇円」という表現を大きく強調する

投稿者プロフィール

須永萌
須永萌グラフィックデザイナー/デザイン講師
グラフィックデザインの専門学校を卒業後、広告代理店に勤める。
その後、25歳の時にカフェとエステサロンの複合店をオープンし、広報としてデザイン全般を担当。特に女性向けデザインに長け、Instagram広告などSNSでのマーケティング知識を活かしたデザインが特徴。さらに、デザイナー育成のためのオンライン講師も行っている。また、動画編集も得意とし、幅広いスキルを持つ。
「痒い所に手が届く提案」と「学びながら成長できる場」を軸に、幅広く心に届くクリエイティブを届けている。
プライベートでは歳の差姉妹の母。