「月額より年間」を選ばせる!比較基準を操作する価格デザイン


最初に提示する数字がその後の価格評価の基準点(アンカー)になります。このアンカーを戦略的に使い、ユーザーに割安な契約期間を選んでもらうデザインの工夫をお教えします。
ユーザーが「月払い」ばかり選んでしまう
サブスクリプションサービスで運営側は「年間契約」を選んでほしいのに、ユーザーは手軽な「月額契約」ばかりを選んでしまい、収益が安定しないことがあります。
大きな数字を基準にするデザイン
行動経済学での『アンカリング』を使います。
比較する際に年間契約の総額という「大きな数字」を最初にアンカーとして提示し、月額契約の割高感を際立たせます。料金プランの選択画面で、デフォルトの表示を「月額」ではなく「年間一括払い(割引適用)」のタブにしておきます。このとき年間の総額(例:12,000円)を強調して表示し、そのすぐ下に小さく「月々換算:1,000円」と添えます。この大きな数字を基準にすることで、ユーザーは自然と「年間契約が一番お得だ」と判断しやすくなります。
まとめ
最初に提示する数字がユーザーの判断基準になります。デザインでアンカーを戦略的に設置しましょう。

さて、ここで次の学びに繋がる問題です!
あるサブスクリプション型の食品宅配サービスが解約のしにくさについてユーザーから不満の声が上がっていました(解約は電話でのみ受け付けていた)。
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解約のしにくさに対する印象を和らげるデザイン手法はどれでしょうか?
1:解約の電話番号をサイトの目立たない場所に置く
2:「お電話での解約は、お客様の利用状況に合わせた最適なプランを提案させていただくチャンスです」と前向きな理由を提示する
3:解約方法を全て英語で記載する
投稿者プロフィール

- グラフィックデザイナー/デザイン講師
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グラフィックデザインの専門学校を卒業後、広告代理店に勤める。
その後、25歳の時にカフェとエステサロンの複合店をオープンし、広報としてデザイン全般を担当。特に女性向けデザインに長け、Instagram広告などSNSでのマーケティング知識を活かしたデザインが特徴。さらに、デザイナー育成のためのオンライン講師も行っている。また、動画編集も得意とし、幅広いスキルを持つ。
「痒い所に手が届く提案」と「学びながら成長できる場」を軸に、幅広く心に届くクリエイティブを届けている。
プライベートでは歳の差姉妹の母。
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