続きが見たくなる!「未完了」をあえて残すデザインの引き込み力

人は達成できなかったことや中断されたことについて強く記憶に残り、完了させたいという欲求を感じます。この心理を活かし、ユーザーの継続的な利用を促すデザイン手法を見ていきましょう。

ユーザーのサイト訪問が一度きりで終わってしまう

ユーザーがサイトのコンテンツを全て見終わったり、途中で離脱したりすると、再訪問のモチベーションが低下してしまいます。ユーザーの関心をつなぎとめる仕掛けが必要になってきます。

「途中のまま」で誘うデザイン

行動経済学での『ツァイガルニック効果』を使います。
完了したことよりも、中断されたり、未完了の状態にあることのほうが強く記憶に残りやすいという現象です。
学習系アプリやEラーニングサイトで、すべてのレッスンが完了した状態(100%)ではなく、あえて「達成度:80%」と残り20%の未完了部分を目立つように示します。また、サイトのトップページに戻ってきたユーザーに対して「前回はここまで読みました」というマークや「次のステップへ進む」という導線を大きく表示することで、「残りを終わらせたい」という心理を刺激し、再訪問や継続利用を促します。

まとめ

ユーザーに「途中のまま」という状態を認識させ、デザインで「続きをやりたくなる」仕掛けを作りましょう。

さて、ここで次の学びに繋がる問題です!
あるNPO法人が、環境保護活動への寄付を募るウェブサイトを開設しましたが、「本当に真面目に活動しているのか?」というユーザーの疑念を払拭できませんでした。

信頼感を高めるデザイン手法はどれでしょうか?

1:寄付の使い道をグラフで細かく表示する
2:サイト全体に、青や緑などの自然の色をメインに使い、シンプルなレイアウトにする
3:寄付をした人へのリターン(特典)を詳しく説明する

投稿者プロフィール

須永萌
須永萌グラフィックデザイナー/デザイン講師
グラフィックデザインの専門学校を卒業後、広告代理店に勤める。
その後、25歳の時にカフェとエステサロンの複合店をオープンし、広報としてデザイン全般を担当。特に女性向けデザインに長け、Instagram広告などSNSでのマーケティング知識を活かしたデザインが特徴。さらに、デザイナー育成のためのオンライン講師も行っている。また、動画編集も得意とし、幅広いスキルを持つ。
「痒い所に手が届く提案」と「学びながら成長できる場」を軸に、幅広く心に届くクリエイティブを届けている。
プライベートでは歳の差姉妹の母。