値段の印象をガラリと変える!「最初に大きな数字」を見せるデザインの力

「高い」「安い」の判断は、絶対的なものではありません。
最初に提示する数字(アンカー)を工夫することで、ユーザーの価格に対する印象を操作できます。価格訴求を成功させるデザインのワザを見ていきましょう。

ユーザーの「高い」という拒否反応

ユーザーは商品価格を見た瞬間に「これは高いな」と感じると、その後の魅力的な説明にも耳を貸さなくなってしまいます。最初の価格提示でネガティブな印象を与えない工夫が必要です。
ちなみに、ターゲットによっては価格提示を最後までしない(サイト内でもなかなか見つけられない)というのも戦略として使う場合もあります!

「基準点」を作る価格の比較デザイン

行動経済学での『アンカリング』を使います。人は、最初に示された情報(アンカー)を基準点にして、その後の判断を下す傾向があります。
割引キャンペーンのページで定価を二重線で消し、その横に割引後の価格を大きく表示します。
定価(アンカー):20,000円特別価格:10,000円。このとき、アンカーとなる「20,000円」を、割引後の価格よりも少し大きな文字や目立つ色(赤など)で表示すると、「半額になった」というお得感がより強く認識されます。通販番組で扱う戦略ですね!最後のダメ押しで「さらになんと…!」が続きます。

まとめ

最初に基準となる数字を提示し、ユーザーの「お得」な感覚をデザインによって操作しましょう。

さて、ここで次の学びに繋がる問題です!
ある写真編集アプリが、無料版から有料版への移行率が低いことに悩んでいました。

有料版への移行を促すには、無料版のユーザーにどのような体験を提供すべきでしょうか?

1:有料版の機能を無料版の期間中だけ全て開放する
2:料版のユーザーが作った編集済みの写真に、目立たない透かし(ウォーターマーク)を入れておく
3:無料版で使えない機能のアイコンを「有料版限定」とグレーアウトして常に見せる

投稿者プロフィール

須永萌
須永萌グラフィックデザイナー/デザイン講師
グラフィックデザインの専門学校を卒業後、広告代理店に勤める。
その後、25歳の時にカフェとエステサロンの複合店をオープンし、広報としてデザイン全般を担当。特に女性向けデザインに長け、Instagram広告などSNSでのマーケティング知識を活かしたデザインが特徴。さらに、デザイナー育成のためのオンライン講師も行っている。また、動画編集も得意とし、幅広いスキルを持つ。
「痒い所に手が届く提案」と「学びながら成長できる場」を軸に、幅広く心に届くクリエイティブを届けている。
プライベートでは歳の差姉妹の母。