「先に与える」ことで購入を引き出すデザインの工夫

人は、何か親切にしてもらうと、「お返しをしなければならない」という強い気持ちが生まれます。この「お返ししたい」心理をデザインで戦略的に作り出す方法を教えします。

ユーザーに「申し訳ない」と感じさせるには?

ただ商品を宣伝するだけでなく、ユーザーに「このサービスから価値を受け取ったから、次は自分も貢献しよう」と感じさせる流れをデザインで作り出すのがポイントです。

「得した」感覚を先に与えるデザイン

行動経済学での『返報性の原理』を使います。
購入を依頼する前にユーザーにとって価値あるものを「無料」で提供し、借りを作ります。
有料サービスの申し込みページに誘導する前に、「無料診断」「限定テンプレートの無料ダウンロード」「専門家による個別アドバイス(無料)」といった、ユーザーにとって非常に価値の高いコンテンツを個人情報登録なしで提供します。ユーザーがこの「無料の価値」を受け取った後、その後の有料サービスへの誘導を「診断結果を活かすなら、こちら」という流れで提示すると、自然な「お返し」として申し込みを受け入れてもらいやすくなります。

まとめ

ユーザーに先に大きな「プレゼント」をデザインで渡し、その後の行動をスムーズに促しましょう。

さて、ここで次の学びに繋がる問題です!
あるSNSアプリが、新規ユーザーの利用開始直後の離脱率に悩んでいました。
友人がいないと、アプリを使い続けるモチベーションが下がってしまうためです。

新規ユーザーの定着を促すデザイン手法はどれでしょうか?

1:アプリの機能説明動画を繰り返し見せる
2:登録完了直後に、「同じ地域にいる○○人があなたの投稿を楽しみにしています!」というメッセージと、おすすめのユーザーリストを表示する
3:アプリ内で使えるスタンプを大量にプレゼントする

投稿者プロフィール

須永萌
須永萌グラフィックデザイナー/デザイン講師
グラフィックデザインの専門学校を卒業後、広告代理店に勤める。
その後、25歳の時にカフェとエステサロンの複合店をオープンし、広報としてデザイン全般を担当。特に女性向けデザインに長け、Instagram広告などSNSでのマーケティング知識を活かしたデザインが特徴。さらに、デザイナー育成のためのオンライン講師も行っている。また、動画編集も得意とし、幅広いスキルを持つ。
「痒い所に手が届く提案」と「学びながら成長できる場」を軸に、幅広く心に届くクリエイティブを届けている。
プライベートでは歳の差姉妹の母。